あたるの練馬的ガールハント? その3
ザ――――…
(雨かよっ……午前中は日本晴れだったのに……)
あたるはどこかの店の下で雨やどり。傘もないため、ガールハントはできそうにない。だからといって帰るととんでもないことが待っているに違いない。傘を買うのも面倒だ。そして、その間にもますます腹が減る…。
幸い雨はそれほど長く続かなかったらしい。早速あたるはまたまたガールハントを再開するのであった。
(まだ一時半か……まだまだできそうだな……)
あたるがそんなことを思っていると、
とととと……
またまた何かの物音が後ろからしてきた。今までより随分軽い音だが。
(あーもういいかげんにっ…)
そう思いつつあたるが振り向くと、走ってきたのは
『に゛っ』
ピンクのネコだった。
(なんだ…ったく、驚かせやがって……)
しかし、少し不思議なことがあった。
『がーっがーっ』
後をアヒルが追いかけてきているのである。
『ぐわっががっ』
『にに゛ーっにー!』
その上二匹は何か口論をしながら走っているようである。
(まーいいや……こんなことより、おじょーさんを探すぞー!)
早速あっちに見えてきたのは、お下げ髪の女の子。スタイルもかなりいい感じである。
「おーじょうさーんっ!」
あたるが女の子にかけよろうとすると、
「おさげの女ーっ!」
すぐ横から知らない男が走ってきた。
「ん?誰だおまえは。」
「貴様こそ誰だっ!」
「たわっ!」
その男はどこからか木刀を出してきたが、あたるはそれを白刃取りで止める。
「貴様、あのおさげの女に何をする気だ?」
「貴様こそいきなり木刀を出してきて、危ないじゃないかっ!」
(まるでこいつ面堂だな……)
そんなことをしているうちに、女の子はどんどん向こうに行ってしまう。
「待ってくれおさげの女、この変な男と僕は何の関係もないぞっ!」
「あ、おじょーさん、待ってくださーい!」
「………あっち行け――――っ!!」
どっかーん
あたると木刀の男は思いっきり女の子にぶっ飛ばされた。
(なんで俺まで飛ばされにゃならんのだ……?)
(うー…今日はこんな所に来ないでいつものとこに行けばよかったんだろうか……?)
いくらあたるでも一日中ガールハントをしていて一人もつかまらなかったことはない。いや、それ以前に一日中ガールハントをしている事自体が珍しいが。そう考えているだけでももっと腹が空いてくる。
(えぇい!それではここに来た意味がないっ!この際一人でも成功させちゃる!)
そう思ってるとちょうどそこにまた女の子が歩いてきた。かわいいかどうかは微妙なところであるが、今のあたるにはもうそんなことはどうでもよくなっていた。
「ねえ、君お茶飲まない?」
「んーと、ちょっと待って。」
その子はそう言うと、なぜかあたるをじろじろと見始めた。顔やら服装やらいろんなところを見ている。そして数秒後、
「いーわよ。」
明るい声が帰ってきた。
「じゃーおじょうさん、早速……」
「早速行きましょう、私いいとこ知ってんのよ。」
「え…あの、ちょっと……?」
あたるはその女の子に手を引っ張られていった……。
そして着いたところは結構高そうなレストラン。
「えーと、コーンサラダとシチューとオレンジジュースとー……」
その上たくさん頼む。
「ぼ……僕はカレーね。」
あたるも腹が減ってしょうがないため、仕方なく少しだけ頼んだ。
「○千円になります。」
「…え゛!?」
「ねぇ、次はあこに行きたいんだけど?」
「あのー…それはもうお茶どころじゃ……」
「だめなの?」
「う………」
「ねえ、これ買って〜?」
(なんか、高いのばっかり…だけど……)
「あ、ああ………」
「ねえ、ところで住所と電話番号は……」
「あら、もうこんな時間。またね〜。」
「あの、住所と電話番号……」
「また今度会ったらね〜。」
こうして名前もわからない女の子は去って行った。
(はっ……)
あたるはとんでもないことに気がついた。
まずここがどこだかわからない。あの女の子にいろいろ引きずり回されていたからだろうが、レストランに入った時点で今まで一度も歩いたことのない道だった。とりあえず歩き回って見たが、さっぱりわからない。タクシーを呼ぼうと思ったら金がない。それも、あの女の子にいろいろと……
(やられた……)
この後、ラムが見つけて何とか家には帰れたらしいが、100万……いや、100億ボルトを浴びたんだそうな……
執筆最終更新日:2002年5月8日
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うる星とらんまの合体モノ。でもなぜかあかねちゃんが出てこない……
乱馬「あいつにガールハントもされねぇほどかわいくねぇからだってさ」
あかね「なんですって〜!?」
ち、違います!どうするか思いつかなかっただけなんです〜……;
ついでに最後の人はなびきさんのつもり。