あたるの練馬的ガールハント? その1
「ダァリーン!待つっちゃー!」
「待てと言われて待つアホがいるか〜!!」
逃げるあたると追いかけるラム。いつものことである。
(さあ、今日も思いっきりガールハントするのだ!にしてもまずはラムから早く逃げ切らなくては……えーい!ダッシュダッシュ!!)
「もう……ダーリンどこ行ったっちゃ?見つけたらただではすまさないっちゃ!」
空を飛んであたるを探すラムと物陰に隠れているあたる。これもいつものこと。
(……見つかってたまるかよ。とにかく今日はものすごい日本晴れ……こんな日はガールハントにうってつけの日だ!)
確かに今日の空は雲一つ無い。しかし、ガールハントにうってつけかどうかは微妙である。
「おじょうさん、一緒にお茶飲みません?」
「いやよっ。」
「じゃあ、こちらのおじょうさんは……」
「だめっ。」
そしてガールハントを始めるあたる。やっぱりいつものことである。
(うーん……似たような返事が多いな。今日はちょっと違ったところに行ってみよう。)
そしていつもは滅多に行かない道を走って行くあたる。このあたるの判断からいつもと少し違った話が始まる…………。
きょろきょろとあたりを見回しながら歩いていく。
(さーて……かわいいおじょうさんはいないかな?)
その時……
ドタタタ……
何かあたるの後ろから物音がした。
「……ん?」
がしっ
「シャンプ――――ッ!!」
「だぁ!?」
そして、あたるはいきなり知らない男に……抱きつかれた。
(誰だこの長髪の男はっ!?俺はシャンプーじゃないっ!!しかも女はともかく、男なんかに抱きつかれる筋合いはないーっ!!!!)
「ちょっと待て!俺はシャンプーなんかじゃない!」
「………んん?」
その男は手を離し、懐からぶあついメガネを出してかけ、あたるを見た。どうやら、かなり目が悪いらしい。
「……おお、誰だか知らんが、すまなかった。じゃあ。」
「え゛………」
すたたたた………
その男は走っていった……。
(そ、それだけかいっ……「すまなかった」だけじゃねーだろありゃあ……)
あたるはその男にイライラをつのらせながらまたガールハントを再開しようとした、その時。
しゃーー……
ちょうど向こうからとてもかわいらしい少女が自転車に乗ってやってきた。
「あ、シャンプー…!」
さっきの男はその子に何か言いたかったらしいが、
ごりゅっ しゃーー…ききっ
「……………。」
少女は男を轢き、少したってから止まった。よりによってあたるの目の前で。
(あれがシャンプーちゃん!?かっかわいい……)
「ねえ、君がシャンプーちゃん?だったら住所と電話番号教え………」
「いきなり何あるかっ!?」
どげ――ん……
あたるは少女に蹴り飛ばされた………。
「ムース、いくらなんでもあんな人と私を見間違えられるのは嫌あるね。」
「す、すまぬ……」
(次のかわいいおじょうさんはどこに…………?)
ついさっき思いっきり蹴り飛ばされたはずなのに、もうガールハントを再開しているあたるだった……
執筆最終更新日:2002年4月7日
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